H30認知症介護実践者研修レポート Vol.2

2018.11.15

新潟県受託研修

イベントレポート

平成30年度 第5回新潟県認知症介護実践者研修が、去る10月19日に無事全日程を終了しました。

最終日は会場を十日町市に昨年オープンした「段十ろう」(文化ホール、中央公民館)に移して、成果報告会と特別講演会を行いました。

この「段十ろう」は708席もの広いホールやアーティストルーム、練習室のある「越後妻有文化ホール」と、講堂、多目的スペース、調理室、茶室のある和室などを有する「十日町市中央公民館」の複合施設です。

今回私たちは「講堂」で成果報告会を行い、午後から「だんだんテラス」と名付けられた交流ゾーンで特別講演会を開きました。

成果報告会はグループごとに全員が発表しました。ともに研修に取り組んできた仲間との意見交換や、指導者からの助言や評価の時間は、受講生の皆さんにとってこれからのケアに活かせる宝物のような時間となっていました。

皆さん 緊張しながらも良い表情で報告されていますね。

報告会が終わると、一般公開となる「特別講演会」が始まります。

今年度の演題は「知ることが力になる ~虐待による傷害致死を疑われ、冤罪となった家族の物語~」です。講師は佐保輝之様、ひかる様ご夫婦です。お二人は同居する母親への傷害致死容疑で逮捕されるという辛い経験をされました。認知症専門医による意見書が決め手となり、容疑の内容が虐待による結果ではなく偶発的な受傷事故だったと認定されるまで、3年もの間勾留され続けました。

お二人をとりあげたドキュメンタリー映像が流される中で、それを見つめる背中から今も続く苦悩や悲しみが感じられるようでした。捜査のなかで信じられないような扱いを受けたこと、認知症の症状だと知らずに心の病だと思い、暴言を吐いたり暴れたりする母親に、家族だけで対応していた後悔や反省について語られました。「認知症について無知だった自分達がまねいた結果であり、私たちの失敗談として伝えてゆくことで、二度とこのようなことが起こらない社会になってほしい」という訴えが心に響きました。

受講生からも「他の講演では聴けない貴重なお話だった」「身につまされる内容だった」「多くの人に介護や認知症の現実について知ってもらう努力をしたい」などの声があがりました。

さて、近隣の介護事業所や一般の方の参加も多くあり、盛況だった講演会も終わり…ついに修了式となりました。

修了式では毎年恒例の研修全日を思いかえすスライドショーが上映されました。このスライドショーは講義演習から中間報告会、成果報告会、特別講演会に至るまで撮りに撮り続けた写真を、当日分まで編集を続けて作成されたもので、毎年大好評をいただいているものです。時折笑いが起こる中で、涙ぐんで見つめる受講生さんもおられ、事務局としてももらい泣きしそうになる瞬間でした(ノД`)・゜・。

新潟県高齢福祉保健課 在宅福祉係の土田係長よりご挨拶と代表者への修了証の授与が行われ、最後に小松事業本部長から「この研修でいつも思うのは、こうして最後の日の皆さんの表情を見て、介護の仕事って本当に良いなあということです。学んだことはすべて持ち帰って、まわりの職員さんに是非伝えてほしいです。そして地域の一員として真剣に認知症介護に取り組んでいただきたい」という閉講の挨拶があり、すべてのプログラム・カリキュラムが終わりました。修了証は大切に各グループの指導担当者から全員に渡されました。

55名の受講生の皆様、認知症介護指導者の方々、本当にお疲れ様でした。素晴らしい研修でした!

<法人管理部 受託研修事務局 担当:根津>